「香港97」という言葉を検索すると、『香港97』という非公式のスーパーファミコン用のゲームソフトがヒットします。このゲーム内容が不謹慎で過激で超危険です…!
分類:グロ・非常識・殿堂入り
危険度3
以下は、私が「香港97」を検索した時のリアクション動画です。ぜひご覧ください。
この記事では「香港97」の詳細と検索してはいけない言葉として分類された理由を詳しく解説しますので、最後までお楽しみください。
『香港97』とは?
『香港97』は、1995年に吉喜軟体公司(Happy Software Ltd.)が開発したスーパーファミコン用のゲームソフトです。このゲームは任天堂の認可を得ていないため、公式の流通ルートを通さず、アングラソフトとして知られています。ゲームのデザインには、クローン黒沢氏が関わっているとされています。
『香港97』は、見下ろし型のシューティングゲームで、プレイヤーは主人公「陳」を操作し、前方に弾を発射しながら敵を撃退します。敵キャラクターは前方だけでなく、左右からも登場し、多種多様な攻撃を仕掛けてきます。撃破した敵キャラからはアイテムのように弾を撃ち返されることもあります。
ゲームの難易度は非常に高く、陳が敵キャラや敵の弾に一度でも接触すると即座にゲームオーバーとなります。これにより、プレイヤーは慎重に進行しなければならず、緊張感のあるプレイが求められます。
以下のYouTube動画などでプレイ動画を確認することができます。
【SFC】香港97 ゲームプレイ【陳死亡】(YouTube)
『香港97』のストーリー
『香港97』のストーリーは、1997年に香港の中国返還を控え、中国本土から大量に流入する中国人による治安の悪化を恐れる香港政庁が、ブルース・リーの親戚でもある殺しのプロ「陳」に依頼するというものです。彼の任務は、中国人民12億人を抹殺すること。しかし中国では、死亡した鄧小平を巨大兵器に改造する研究が行われているという設定です。
『香港97』が影響を受けた作品
『香港97』は、かつてX68000(1986年発売のパソコン)で出回っていたアングラ系同人ソフト『ザ・天安門』(1989年)や『Special天安門』(1990年)から強い影響を受けていると言われています。これらの作品同様、政治的に過激な要素や非常識な内容が色濃く反映されています。
- 『ザ・天安門』(1989年)
右から左へ向ってくる人民をただひたすら兵器で倒していくゲーム。
人民を10億人倒せばゲームクリア。 - 『Special天安門』(1990年)
画面一番下まで人民が来ないように戦車でひたすら倒すゲーム。
人民を10億人倒せばゲームクリア。
『香港97』の過激な演出
『香港97』は主に以下のような過激な演出で有名です。
生首などのグラフィック
ゲーム内には、中国人民や中国共産党員を模した人間型の敵キャラクターが登場するほか、黒塗りのリムジンや中国政府の秘密兵器として鄧小平の生首が登場します。また、背景には毛沢東の写真や中国語のプロパガンダポスター、さらにはコカ・コーラや亞洲電視のロゴなど、統一感のない風景が広がっています。これらの背景はゲームの過激さを一層際立たせています。
さらに、ゲームの進行中には人間の死体画像が日付入りで表示されることもあり、その過激さが不快に感じられるプレイヤーも多く、好みが分かれる内容となっています。
プロパガンダソング
またBGMは「我愛北京天安門」という曲がピッチ変更され、一部をサンプリングされたものでした。この曲は中華人民共和国を創建した毛沢東を讃えた、文化大革命時代のプロパガンダソングであるとのことです。繰り返し流れるので、頭が狂いそうになります。
「香港なのに何故天安門の曲なのか?」については、この曲がクーロン黒沢氏がたまたま持っていたカセットテープに録音されていたからこの曲を使っただけとのことでした。
以上のように『香港97』は過激な政治的描写や不快なグラフィックを用いていることから、かなり不謹慎なゲームであることがわかります。
『香港97』に対する世間の評価
『香港97』に対する世間の評価については以下のようなものがあります。
少しずつ噂が広まる不謹慎ゲーム
『香港97』は、もともと公式の流通ルートを通していないため、非常に入手が難しいゲームでした。日本では、パソコン通信やインターネットなどを通じて「不謹慎なゲームがある」という口コミの形で話題となり、一部で知られる存在でした。しかし、1990年代後半になると、実際の事件や事故を題材にした不謹慎ゲームの一つとして、マスコミで記事として取り上げられることが増えました。
雑誌や有名YouTuberに注目される
また、『ゲームラボ』など、アンダーグラウンドな世界を紹介する雑誌や書籍で興味本位に紹介されたことや、2000年代以降には『The Angry Video Game Nerd』(AVGN)などの著名なYouTuberが「史上最悪のクソゲー」として取り上げたことがきっかけで、正式な流通経路を経ていないにも関わらず知名度を高めました。
入手困難過ぎる
紹介される際、しばしば「香港(または東南アジア)で製作された、任天堂非公認のカートリッジソフト」として言及されることが多いですが、実際には日本国内で開発され、マジコン用のフロッピーディスクとして頒布された同人ソフトです。東南アジアで出回っているものは、ROMカートリッジに焼き付けられたデッドコピー品であり、これはゲームの製作者であるクーロン黒沢氏の著書にも記述されています。
その後、2015年3月時点では、在庫が切れており、現在では入手困難となっています。
何故検索してはいけないのか?
『香港97』はその極端に高い難易度と、差別的・不謹慎な世界観、さらにはプレイヤーを不快にさせるグラフィックや演出が多く含まれているため、賛否が分かれるゲームとなっています。そのため、非常にリスクの高いコンテンツとして「検索してはいけない言葉」に分類されています。
『香港97』のように、ゲームタイトルが検索してはいけない言葉になっているゲームとして『四八(仮)』というものがありますが、そちらは別ベクトルでヤバいゲームです。Playstation2で正式に発売されていて、内容も不謹慎ではないですが、どうして検索してはいけないのか…。詳しくは当ブログの『四八(仮)』の解説記事をご覧ください!
『香港97』に関する補足情報
上記では語りつくせなかった『香港97』の補足情報です。
補足①『香港97』の制作スタッフと多言語化
『香港97』の開発スタッフについては、クーロン黒沢氏以外の詳細は明らかにされていません。しかし、後の雑誌インタビューで明かされた情報によると、プログラムの担当者は当時某ソフトメーカーに在籍していたプログラマーだったと言われています。黒沢氏はそのプログラマーが手掛けていたゲームソフトのシステムを流用していると語っています。
また、『香港97』は日本語・中国語・英語に対応するという無駄にワールドワイド仕様になっていて、中国語と英語についてそれぞれバイトのような形で翻訳者がいたそうです。
その中でも中国語の翻訳を担当した香港人の若い男性は、こんな不謹慎な内容のゲームの制作に関わって中国を敵に回してしまうのではないかとビクビクしていたことからクーロン黒沢氏から「気の弱い中国人男性」と評されていました。その方はその後若くして亡くなってしまったそうです。
補足②『香港97』のオープニングの告知
『香港97』のゲームをスタートすると以下の文章が表示されます。
貴方の作ったゲームを求む!
我々は貴方の作ったスーパーファミコン用のオリジナルゲームソフトを貴方の代わりに販売します。
貴方の報酬は、日本と外国で販売する純利益の1/3です。どんなゲームでも構わないのでディスクに内容の説明書と連絡先を明記して我々まで送ってください。審査した後、連絡します。我々のゲームを貴方の店で売りませんか?
このゲームは我々が版権を持っています。無断でコピー、販売することは著作権の侵害です。国籍を問わず、我々はあなたの店との取り引きを希望しています。50本以上の注文には大幅な割引をいたします。詳しくはお気軽にお問い合わせください。〒160 東京都新宿区西新宿7-12-1 トガワビル3F-324 吉喜軟体公司
不謹慎なアングラソフトの販売を行っているわりにフレンドリーで度胸のある告知だと評判です。
この住所には私設私書箱があったそうで、Happy Softwareそのものの住所ではなかったとのこと。もちろんこの住所は現在はHappy Softwareとは無関係です。
補足③『香港97』のエンディングの真相
『香港97』にはエンディングが存在するとされ、プレイヤーが中国の総人口分のスコアを達成すれば見られると言われていました。しかし、後にクーロン黒沢氏が語ったところによると、「最初からエンディングは存在していない」とのことで、実際にはクリア不可能な、いわゆる「無理ゲー」とされています。
それでも、ゲームオーバー後にはスタッフロールが流れ、吉喜軟体公司からの告知文が表示されるため、プレイヤーにとっては一種の達成感を得られる瞬間となります。
補足④クローン黒沢氏のその後の作品
『香港97』の制作後、クーロン黒沢氏はアングラゲームの制作を続け、オウム真理教を題材にした『上九一色村物語』をAUMSOFT名義でリリースしました。しかし、それ以降はアングラゲームのリリースは行っておらず、活動の方向性が変わっていきました。
最近では、アングラソフトの減少について「アングラソフト特有の危険な匂いが、GTA(グランド・セフト・オート)などの反社会的な内容を持つゲームによって薄れている」と語り、商業ゲームの進化に対する見解を示しています。GTAのような反社会的なゲームが、メーカーから正式にリリースされることにより、非正規のアングラソフトが持つダークなインパクトが減少しているという考えです。
また、2010年代には、本作『香港97』に匹敵するほどのゴア表現を持つ商用ゲームが増え、特に欧米では成人向けゲームとして分類される残酷な表現が一般的なものとなったことを指摘しています。このような背景の中で、かつてのアングラゲームの衝撃的なインパクトは次第に薄れていったと言えるでしょう。
『香港97』を振り返って
今回は危険度3の検索してはいけない言葉「香港97」について詳しくご紹介しました。不謹慎ゲームとして有名とのことですが、本当に不謹慎なので不用意に検索してはいけません!
他にも『検索してはいけない言葉』に関する記事を随時更新していますので、ぜひチェックしてみてください。